オープニングを見ただけで、目頭が熱くなりそうになる。
大企業=大きな組織の中における社員=個人の闘い=プライド。自分の正義を信じて会社組織と闘う者でも、根底にある愛社精神との葛藤はある。会社に裏切られた思いや、加担したも同然の自分のそれまでの仕事ぶり。悔しさの中、瓦解する巨大組織の礎の鋲を抜いていくのが自分達であるかもしれない。
そんな山一証券破綻時のしんがりを務めた社員たちの物語。出演者順3番目男の林遣都(吉岡)は、武者震いするような1話でまだ立ち上がっていない。彼の上司に萩原聖人(瀧本)。遣都デビュー作の「バッテリー」の野球部監督で今回も師弟関係というのが感慨深い。当時15才の遣都は「しんがり」撮影時たぶん23才。これまで見てきた彼とは違う90年代のエリート証券マン風が新鮮だ。
まだことなかれ主義でいる吉岡がいつ開眼するのか、2話が楽しみだ。正義感の強い"しんがり"を率いる主演の江口洋介がはまり役。